米海兵隊岩国航空基地 -- 末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教会)の伝道師、ハル・ピアス牧師はアメリカ沿岸警備隊の元一等兵曹。21年間に渡り、母国アメリカに仕えてきたピアス牧師は、現在も自分ができる方法で、奉仕を続けている。
「沿岸警備隊を退役した後、人生において今こそ、人のためになにかするときだと感じました。」とピアス牧師。
牧師として、最初は教会の青年グループ(ユースグループ)と一緒に地域社会活動に参加してきたが、現在は岩国基地の部隊を支援している。
「ユースグループを監督する牧師だったとき、毎週日曜日に老人ホームを訪問し、特定の宗派に属さない歌を歌っていました。この活動を通じて、日本人との間に友情が育まれていると感じました。」とピアスさん。
ピアス牧師は、「友達になることは人を幸せにすることで、そのためにボランティアをしている。」と話す。
ピアス牧師は、伝道師に応募したとき、3つの条件、温暖な気候、英語が通じる環境、軍事施設またはビジターセンターでの勤務を要求したという。結果として、3条件すべてを満たす岩国基地へと派遣された。
「言葉の壁があると思い、妻と私は岩国に来るのをためらっていました。ですが、手でジェスチャーすることで、それは乗り越えることができました。」とピアス牧師。
ピアス牧師の妻、リアーヌさんは夫と共にボランティア活動に積極的に参加し、夫を支えている。
「夫は献身的で欲が全くなく、心の優しい人です。」とリアーヌさん。「私は、彼が100パーセント成長するのを見てきました。なぜなら、彼は自分のしていることが大好きで、捧げることが大好きだからです。『情熱的』より激しい言葉があるなら、それが彼自身を表しています。私達はこれを一緒にやってきたのです。自分達ができるところならどこでも、助けてきました。」
2014年12月19日、ハル・ピアス牧師は、地域社会活動として岩国基地のボランティアと一緒に特別養護老人ホーム灘海園(なだみえん)を訪れた。
「灘海園では素晴らしい時間を過ごしました。」とピアス牧師。「今日は何をするのか知らされていなかったのですが、サンタの衣装を渡されました。サンタクロースになって、園の皆さんと交流したり、一緒に歌を歌いました。園の皆さんの一日を明るいものにできたことで、私自身も素晴らしい気分になりました。人生の楽しい思い出を新たにできたのではないでしょうか。私にとって素晴らしい時間でしたが、園の皆さんにとってもそうであるように願います。」
ピアス牧師は、地域社会活動は人々に喜びを与えるだけではなく、日米の友好関係を培うことにもなるという。
「親切な行動が日米関係を築く助けになると、私は本当に信じています。」とピアス牧師。「私達のしたことに、灘海園の皆さんが本当に感謝してくれていました。日本人かアメリカ人かは関係ないのです。」
ハル・ピアス牧師は、「サンタになった私が歩くと、園の皆さんが笑顔になってくれて、私自身も楽しむことができました。これが私がボランティア活動を続けている理由です。」と付け加えた。
ピアス牧師とリアーヌさんは、ボランティア活動のために自分達の時間を使うことを惜しまないが、自分達がするボランティア活動のために、経済的に困窮しないかをいつも心配している。だがリアーヌ・ピアスさんによると、結局、いつもうまくいくようだという。
「ボランティア活動や参加してくれた隊員のための食事など、恐らく、毎月600-700ドル(約7 万円~8万3千円)くらいを使っています。」とピアス牧師。「このお金は自分達のために使ったり、蓄えておくことができるものなので、その意味からすると、これは犠牲的行為です。ですが、私達はそのようにお金を使うことを選んでいるのです。私達はそれでいいのです。」