米海兵隊岩国航空基地 -- 岩国基地閲兵場で6月9日、司令部司令中隊(H&HS)の指揮権がランス・ルイス中佐から、カール・シュミット中佐へと引き継がれた。
H&HS指揮官として2年間の海外赴任を終えたルイス中佐は、ワシントン特別区にある国防大学で更なる職業軍事教育を受ける。
「米軍将校の中で、800名以上の隊員を率いる部隊指揮官を辞めたいと思う者はいない。」とルイス中佐。「つらいと感じる気持ちも少しはあるが、次のステップに進むべき時が来た。」
次の段階へ進むルイス中佐は、「後継者であるシュミット中佐には、H&HSを正しい方向に導く統率力が備わっている。」と自信を持って話す。
「シュミット中佐は素晴らしい指揮官になるだろう。」とルイス中佐。「彼は人間としても、海兵隊員としても素晴らしい。H&HSを一つ上のレベルへ上げてくれるはずだ。」
シュミット中佐はフロリダ州、タンパにあるマクディル空軍基地内のアメリカ中央軍から岩国基地へと赴任した。中佐はアメリカ中央軍で、海上部門チーフ、カレント・オペレーション本部長、統合作戦センター危機対応チーム員を歴任している。
「岩国の前はアメリカ中央軍で勤務していたが、こことは大変な違いだ。」とシュミット中佐。「前職は参謀事務に関する重要な仕事だったが、これからは実働部隊を指揮する立場になる。」
シュミット中佐は、「H&HS指揮官の間、海兵隊員に『無私の奉仕』の意味を浸透させるつもりだ。」と話した。
「司令官として、自分のことを考える前に自分の隊員や海兵隊が必要としているものを優先して考えることが重要だ。」とシュミット中佐。「これは、岩国の海兵隊員に伝えたいと思っていることの一つだ。海兵隊員がそういう精神を持っていないということではない。我々が部隊として機能するときに、(その精神を)最優先させるということだ。」と話した。
戦闘即応体制に重点を置いていた前司令官のルイス中佐とは異なり、シュミット中佐は『無私の奉仕』に重点を置くという方向性を示している。在職中、ルイス中佐は部隊を野外に連れて行き、野営を建ててパトロールなどをさせ、海兵隊員に戦闘訓練の知識や技術を新たにさせた。
「いつか、海兵隊に狙撃兵として召集されることがあるかもしれない。」とルイス中佐は説明した。「この精神を隊員全員に浸透させていなかったら、部隊指揮官として成功できなかっただろう。」
ルイス中佐は、「H&HSでは、自分の夢だった部隊指揮官を初めて務めた。これ以上のツアー(海外赴任期間)を求めることはできないだろう。」と話した。
「この仕事は栄誉あるものであり、喜びを感じるものだった。」とルイス中佐は話した。
写真1:6月9日、岩国基地閲兵場で行われた司令官交代式で新司令のカール・シュミット中佐に部隊旗を渡す、ランス・ルイス中佐(右)。シュミット中佐はフロリダ州、タンパのマクディル航空基地内にあるアメリカ中央軍から岩国基地へ赴任した。
写真2:6月9日に岩国基地閲兵場で行われた司令官交代式で再入隊の宣誓をする、ランス・ルイス中佐。この宣誓を先導したのは、引退した元米海軍少将で中佐の父親でもある、フレデリック・ルイスさん。