米海兵隊岩国航空基地 -- 米海兵隊岩国航空基地の目立たない建物の中に、5、6人が入るのがやっとの、薄暗くこぢんまりとした部屋がある。机にはコンピューター、電話、無線機が並び、モニターの光が静かに部屋を照らしている。
一見すると、普通のオフィスのようにも見える。しかし、この部屋とここで働くスタッフこそが、岩国基地で働く米軍人、民間人、その家族、そしてすべての人員の安全を守る、極めて重要な役割を担っている。
「私たちは通信センターですから、全員に確実に情報を共有し、連携を図ることが仕事です」と話すのは、司令部司令中隊(H&HS)の緊急指令通信員(EDT)のリカルド・レイエスさん。
H&HSのディスパッチ(指令)チームは、基地の内外を問わず、米軍人、民間人、その家族、そしてすべての人員からの緊急通報に対応している。24時間365日、2つのチームが昼夜12時間の交代制で常に高度な警戒態勢を維持している。
「ディスパッチでは、同じ日は一日としてありません。それは間違いありません」 司令部司令中隊 緊急指令通信員 コリ・クラインジャンス
緊急指令通信員を務めるには、使用するシステムに対する熟練した技術と専門知識が不可欠だ。彼らの業務は極めて多岐にわたる。チームの全員が、電話に対応し、迅速に状況を調整し、関係部署に通知し、警察や消防などの適切な機関を即座に現場へ派遣できなければならない。
膨大な技術的知識に加え、プレッシャーの下で冷静沈着に働く能力も求められる。通報が入れば常に冷静な判断が求められ、一瞬の猶予もなく現場への派遣命令を下さなければならない。
「多くの人は、指令センターで何が行われているかを知りません。ただ電話に出ているだけだと思っているのです」とクラインジャンスさんは話す。「ですが、私たちは一斉通知を送信し、電話に対応し、警察、消防、救急医療サービス(EMS)を派遣しています。私たちは、人々が『最も困難な状況に直面している瞬間』に手を差し伸べているのです」
12時間の勤務シフトの中には、通報が数件しか入らず、比較的穏やかに過ぎる日もある。そうした待機時間は、スタッフにとって同僚と過ごしたり、他の業務に取り組んだりする息抜きの機会となる。
退役米海兵隊員で公安通信指令員であるクリスチャン・ルビーさんは、このような待機時間を利用して、刑事司法の学位取得に励んでいる。自宅には幼い子どもたちがおり、仕事以外で自由な時間の確保が難しいため、通報の合間の時間が彼の学業を支える貴重な時間となっている。
しかし、多忙な日には1日に100件以上の通報が入ることもある。そのような日は、12時間のシフトのすべてを通報者との対話や、各関係機関への出動要請、地元住民との調整に費やされる。何時間もの待機状態は、長い1日をさらに長く感じさせる。それでも、不意の呼び出しにいつでも即座に応じられるよう、彼らは常に万全の準備を整えている。
極めて重要な任務であるにもかかわらず、一見すると緊迫感のない環境のように思えるかもしれないが、岩国基地の緊急通信指令センターは、非常に効果的に機能している。2026年4月、同センターは、海兵隊基地コマンド(MCICOM)の緊急通信指令サービス部門において「年間最優秀公共安全通信指令センター賞」を受賞したのである。同部隊がその分野において、卓越した業績を認められ表彰されるのは、2年連続のことである。
Inside the Public Safety Communications Center of the Year
Photo by Lance Cpl. Gage Collins
Maki Muranaka, an Emergency Services Dispatcher with Headquarters and Headquarters Squadron (HHS), Marine Corps Air Station Iwakuni, monitors phone calls at her desk at MCAS Iwakuni, Japan, May 4, 2026. The MCAS Iwakuni Emergency Services Dispatch Center was recognized by Marine Corps Installations Command as the Emergency Service Dispatch Center of the Year for the second year in a row. (U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Gage Collins)
「すべての電話が緊急事態というわけではありませんが、私たちは常に緊急事態に備えていなければなりません。待機時間が長くなると疲れてしまうこともあります。しかし、私はここに18年間勤務しているので、自分の中にスイッチがあります。普段はリラックスしていても、電話が鳴った瞬間にそのスイッチが入り、プロとしての集中モードに切り替わるのです」と話すのは、緊急指令通信監督官のスエモト・サキさん。
MCICOMの「緊急通信指令員アワード」は、海兵隊全体の中から優秀な緊急指令員を称えるための賞である。クアンティコ海兵隊基地、キャンプ・ペンデルトン、パリスアイランド海兵隊新兵訓練基地などの強豪が受賞する中、岩国基地の指令員たちは一貫して最多の賞を受賞した。彼らは、用意されたすべての部門で計4つの賞を獲得し、岩国基地の安全を守るための高い能力と献身的な姿勢を示した。
目立たない建物の奥深く、その薄暗い部屋には今日も5~6人のプロフェッショナルが詰めている。彼らは24時間365日体制で警戒を怠らず、いつ鳴るか分からない電話に備えている。来る日も来る日もチーム全員が、基地の内外を問わず、岩国基地にいるすべての人の安全を守り続けている。彼らの声こそが、助けを求める人々が最初に耳にする「信頼の声」なのだ