米海兵隊岩国航空基地 -- 多くの 地域社会において、自らの仕事に全力を尽くす人や、若者が夢を追いかけるのを情熱的にサポートする存在は珍しくない。しかし、米海兵隊岩国航空基地に勤務するある男性は、その両方を体現している。岩国基地の飛行場管理者を務めるジェロン・ジョンソンさんだ。“JJ(ジェイジェイ)”の愛称で親しまれているジョンソンさんは、勤務時間外にボランティアとして陸上競技の監督を務め、マシュー・C・ペリー・ハイスクールやイワクニ・ミドルスクールの陸上部員たちのために、シーズン中だけでなくオフシーズンも指導に当たっている。
昼間、ジョンソンさんは一瞬の判断と高度な調整が要求される飛行場管理の業務を統括している。退役米空軍人である彼は、緊迫した環境で任務を遂行するために必要なスキルを、20年間にわたり培ってきた。民間人としての職務に就いて4年以上が経過した現在も、当時と変わらない高い基準が彼の仕事の根幹となっている。しかし、ひとたび一日の業務が終わると、ジョンソンさんの任務は飛行場管理から、数十人の学生アスリートたちを指導する、コーチ、メンターそしてモチベーターへと切り替わる。
現在、フットボールと陸上競技の両方のプログラムに携わり、急成長を遂げるチームの指導を支えているジョンソンさんだが、岩国基地に来てすぐにコーチを始めたわけではなかった。まずは新しい職務で求められる役割を理解することに時間を費やした。仕事の流れを把握したところで、ある日、持ち前の好奇心が彼を突き動かした。
「ある日、たまたまグラウンドの横を車で通りかかったとき、トラックを走っている子供たちの姿が目に入りました」とジョンソンさんは振り返る。「そのままグランドに入ってヘッドコーチに挨拶をしたら、チームに迎え入れてくれたんです」
Keeping Operations on Track: How Jerron “JJ” Johnson serves his airfield and his community
Photo by Cpl. Dahkareo Pritchett
Jerron “JJ” Johnson, right, the director of the Matthew C. Perry High School track and field team, coaches one of his student athletes during the Department of Defense Education Activity Pacific Far East Championship 2026 track and field meet at Marine Corps Air Station Iwakuni, Japan, April 27, 2026. JJ also serves as the airfield manager for MCAS Iwakuni and was recognized for his contributions to the community through both his professional responsibilities and volunteer efforts. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Dahkareo Pritchett)
コーチングはジョンソンさんにとって決して新しい経験ではなかった。彼の指導歴は2007年にまで遡る。当時、ジョンソンさんは現役の米空軍兵として勤務しながら、学生アスリートの指導を始めた。それ以来、カリフォルニア州トラビス空軍基地、フロリダ州パトリック空軍基地、ニュージャージー州マクガイア・ディックス・レイクハースト共同基地など、複数の赴任地でコーチを務め、何百人ものアスリートたちを育ててきた。過去には、町主催の陸上プログラムで約300人の学生を率い、28名のアスリートをジュニアオリンピックに導き、その全員が入賞を果たすという快挙も成し遂げた。
「衝撃的で感動的な体験でした」とジョンソンさんは振り返る。「アスリートたちに注ぎ込んだすべての努力と時間が、報われた瞬間でした」
その時の感動と成果こそが、 現在、彼の指導を支える原動力となっている。飛行場の運用とコーチングを両立させることは容易なことではないが、ジョンソンはどちらの環境にも共通する原則を徹底している。それは規律、責任感、そして一貫性である。
「この役割は彼にしか務まらないと思います」と話すのは、航空管制官であり、ユース陸上競技のコーチも務めるバーナード・ウィリアムズ・ジュニア伍長である。「コーチをしている最中でも、常にサイドラインで電話に対応し、フライトラインの運用管理を継続しています」
ウィリアムズ・ジュニア伍長は、メンターとして、また目指すべきリーダー像の模範として彼を慕っている。
「彼のワークライフバランスは本当に見事です。膨大な業務をこなしながら、それでもボランティアとして時間を割き、子供たちの指導をしています。本当に敬服します」とウィリアムズ・ジュニア伍長。
公私ともにジョンソンさんと親しくしている彼は、人生における見解や価値観において、多くの共通点を見出している。特に共通しているのは「指導を素直に受け入れる(学ぶ姿勢を持った)」アスリートの育成を重視する点だ。そうした選手であれば、自分たちの仕事をより効率的に行えるようになり、コーチとして選手たちの持つ可能性を最大限に引き出す手助けができると、二人は共に感じている。
「指導を素直に受け入れてくれる選手が望ましいのは間違いありません」とジョンソンさんは言う。「天性の才能があっても、その選手の可能性を最大限に引き出す指導ができなければなりません。素直に学ぶ姿勢があれば、陸上だけでなく、人生という長い旅路においても生き抜くことができます。ここで教えていることはすべて、フットボール、バスケットボール、バレーボール、そして軍隊生活にいたるまで、すべてに通じることなのです」
ジョンソンさんが語るように、コーチングは単に大会で勝つことだけが目的ではなく、選手の未来を築くことでもある。ジョンソンさんは、大学での競技生活を目指す生徒たちを含め、彼らが次のステップへ進めるよう親身になってサポートしている。
「今は優勝のことすら気にしていません」とジョンソンさん。「私が目指しているのは、彼らを名門の一流大学に進学させることです。私たちの言うことにしっかり取り組めば、必ずそこに到達できるでしょう」
この信念は、彼自身の歩んできた人生そのものを体現している。
テキサス州タイラーで育ったジョンソンさんは、フットボールと陸上競技の両方で活躍した。高校卒業後、200メートル走でオリンピック選考会の出場資格にあと一歩のところまで迫ったが、スタートで足が滑ってしまい、わずか100分の2秒差で届かなかった。
「必要だった記録は20秒85、私の記録は20秒87でした」とジョンソンさんは振り返る。「その後、次の進路を決めなければなりませんでした」
その決断が、国に奉仕する道へとつながり、規律と不屈の精神に根ざした20年間の軍歴を築き上げた。そして今、ジョンソンさんは同じ価値観を次の世代へと伝えている。
「『欲しいものは自分で勝ち取れ、与えられることを期待するな』というのが父の教えでした。今でも私が持ち続けている信念です」:ジェロン・ジョンソン
現在、飛行場を管理しているときも、大会に向けてアスリートたちを指導しているときも、その信念が彼の仕事を導き続けている。
陸上シーズンが佳境を迎える今、ジョンソンさんと選手たちは、チーム史上初となる4Aチャンピオンシップ・バナー(地区優勝旗)の獲得という目標を追いかけている。周囲の期待が高まる中でも、ジョンソンさんは、コーチングがもたらす影響は一つの大会の結果をはるかに超えるものであると信じている。
「もし誰かから『お前には無理だ』と言われても、自分にはできると信じているなら、彼らが間違っていることを証明してみせたらいいんです」とジョンソンさん。「未来は自分の手の中にあります。ですが、まずは自分自身を信じなければなりません」
滑走路上であっても、陸上トラックの上であっても、あるいは関わるすべてのコミュニティにおいても、ジョンソンさんの信念は変わることはない。「目的を持って導くこと」、「限界を超えて挑戦すること」、そして「自分が関わったすべての場所を、来た時よりも素晴らしい場所にして去ること」である。