米海兵隊岩国航空基地 -- 米海兵隊岩国航空基地の航空機救難消防隊(ARFF)が、世界各地の消防・緊急対応部隊と連携して多国籍訓練を実施した。この訓練は、ARFFが国際的なレベルで緊急対応能力の向上、連携、そして卓越性を追求し続けている姿勢を示すものとなった。なお、岩国基地のARFFは最近、3年連続で「中規模消防署年間最優秀賞」を受賞している。
今回、岩国基地で初めて実施された墜落・損傷・故障航空機回収(CDDAR)訓練には、イギリス空軍 統合航空機回収輸送隊(JARTS)、ドイツ空軍、航空自衛隊の第5航空団および第6航空団、海上自衛隊の第31航空群、そしてウィスコンシン州にある米空軍ヴォーク州兵基地所属の部隊が参加した。
「私たちの目標は、F-35統合プログラム事務局と連携し、複数の外国の部隊が協力して戦術・技術・手順を共有できる訓練場所を設けることでした」と話すのは、岩国基地 司令部司令中隊 ARFFの消防隊長、デビン・マイヤーズ上級曹長。
ARFFがこれほど大規模な国際訓練を主催するのは今回が初めてであり、同部隊の歴史において重要な節目となった。また、3年連続で「中規模消防署年間最優秀賞」に選ばれた実力を示す機会ともなった。
マイヤーズ上級曹長は今回の訓練を「大成功だった」と振り返り、多様な緊急事態のシナリオに対応するため、強固な協力体制と新たなアイデアが共有されたと話した。
「各国の部隊と協力できたことは非常に貴重な経験でした。特に、それぞれが持つ経験に差があるため、CDDARにおける細かな違いを学ぶことができ、お互いの総合力を高める結果となりました」とマイヤーズ上級曹長。
参加した国々の隊員たちもマイヤーズ上級曹長の見解を支持した。多くの参加隊員が、航空機回収における多様なアプローチを学ぶことで柔軟性と効率性が高まり、より迅速で効果的な対応が可能になり、さらなる損傷のリスクも軽減できると同意した。
「回収には4つの手順があります。デフォギング(除霧)、エアバッグの使用、スリングによる吊り上げ、回収です」と話すのはドイツ空軍のトースティン・ミッシェルズ上級曹長。「状況に応じて適切な手段を把握していないと、装備機材に深刻なダメージを与えかねません」と話した。
ミッシェルズ上級曹長はさらに、「各手法の使用タイミングと方法を理解することが、特に経験の浅い隊員にとっては重要です」と強調した。特定の状況で適切な技術を使用しない場合、状況が悪化したり、航空機や装備に重大な損傷を与える可能性がある。
今回、岩国基地で実施された多国籍訓練は、国際的な関係を強化するだけでなく、航空機回収に関する知識と技術の貴重な交流の場となった。各チームが互いの手法に刺激を受けあい、技術を高め合う協働の場が生まれた。岩国基地ARFF部隊は、今後も限界を押し広げ、革新を取り入れながら活動を続けていくなかで、その優秀さは名声にとどまらず、積み重ねた実績によって裏付けられていることが改めて証明された。