米海兵隊岩国航空基地 -- 雲の上を高く飛び、きらめく海と広大な陸地周辺に点在する小さな島々を見下ろしながら、米海兵隊岩国航空基地に向かう乗客は日本を初めて目にする。
岩国基地に来るほとんどの国防総省関連の人員は、基地内の航空機動軍団（AMC）ターミナルに到着し、このターミナルを運営する海兵隊員たちに迎えられる。岩国基地のAMCターミナルは世界で唯一、海兵隊が運用するターミナルで、岩国基地司令部司令中隊に所属する物流管理事務所（DMO）が管理している。
DMOは4つの異なるセクションで構成されており、その業務内容は多岐にわたる。これら4つのセクションはそれぞれの役割や職務、専門性を持ち、共通の任務を支援している。その共通の任務とは、国防総省関連の人員全員に対して、個人所有物の発送と保管に関する高品質で正確な専門的カウンセリングを提供することである。
個人の移動、所有物の輸送や保管に加え、DMOは一時的な職務のための旅行（TDY）や、さまざまな訓練場所への重要な装備品の配送など、公務出張のための輸送を提供することによって、運用上のニーズを支援している。
「我々の仕事はミッション・エッセンシャルで、緊急時であっても業務を遂行しなければならない。我々は必要であれば何でも輸送する。」と話すのは、DMO貨物業務課の貨物輸送事務員、ジャレン・ハリス伍長。「こういう風に考えてほしい。もし海兵隊総司令官が何かの装備を必要としていれば、それには理由があるはずだ。もし、その装備がなければ、任務遂行の邪魔をすることになる。」
DMOを構成する4つのセクションは乗客輸送課、個人財産課、貨物業務課、航空ターミナル課である。
「我々は貨物を受け取り、区分けし、発送するが、これは共同で取り組まなくてはならない仕事だ。」と話すのは、貨物業務課の担当上級下士官、アンソニー・トレス一等軍曹。「それぞれのセクションが互いになくてはならない存在だ。」
乗客輸送課は主に米軍人や国防総省関連の人員、そしてその家族のための転勤（PCS）やTDYなど、さまざまな公的旅行の手配や管理を行っている。乗客輸送課の主要な責務の一つは、AMCや航空券予約手配会社（SATO）と協力して、旅行の手配をすることである。乗客輸送課はまた、バスの主要な提供者である車両輸送課が対応できない場合、バスの手配も行う。
転勤の命令が下ると、家族は転勤命令書を受け取り、すべての手配と旅行計画を始めなければならない。そのため、PCSの時期には、乗客輸送課はチケットの手配をして、彼らが新しい家に一歩近づくための手助けをする。旅行の手配が終わり、出発の為に荷物の梱包が始まるころには、DMOの次のセクションが彼らを支援するための準備を整えている。
個人財産課は、荷物の発送を最初から最後まで円滑に進め、必要な書類を完成させる。PCSの間、 家財道具の輸送と、アメリカ本国にとどまる個人財産の保管を担当する。また、請求の処理を行い、配送が禁止されているものや移動に関する個人の権利や責任、この移動期間についての基本的な注意事項に関する追加の情報を提供する。
いよいよ引っ越しの日が近くなると、ペットも含めた家族全員がターミナルに出向く。航空ターミナル課（ATD）が運用するターミナルは、基地住人が岩国基地にいる間に最初と最後に目にする場所になる。ATDはターミナルの運営を維持し、搭乗と降機のプロセスがスムースかつ効果的に行われるようにする。ATDは荷物、ペット、税関と出入国管理、そしてAMCとの直接のやり取りを担当している。
最後に、貨物業務課は、岩国基地内のテナント部隊やその他の国防総省の活動のためのサービスや、岩国基地や西太平洋地域に展開している部隊への支援を提供している。
貨物業務はさらに発送、受取、追跡の3つのセクションに分かれている。発送セクションは発送貨物を監督し、受取セクションは岩国基地に配送されてくるすべての貨物を処理し、発送と受取のセクションは、その貨物が必要な場所へ確実に配達されるようにする。追跡セクションは、貨物が輸送されている間の最新状況を提供する。
米軍人やその家族を迎え入れることから、彼らに荷物を無事に届け、岩国を離れて別の場所に行く時には再びそれらを梱包し、その間のすべての任務を支援する。DMOは岩国基地の運用を円滑するために重要な部署である。
「どの基地に行っても、誰もが多少なりとも発送業務や輸送業務を必要とする。」とハリス伍長。「そして輸送できるものであれば、我々が輸送する。」