米海兵隊岩国航空基地 -- 愛宕ヒルズの一角に位置し、穏やかな岩国市の景色と岩国基地を見下ろす場所にある絆スタジアム。2020年に開催される東京オリンピックでの金メダルを目指し、アメリカ女子ソフトボール代表チームの選手たちがこのスタジアムでオリンピック事前合宿を行う。
ジムや陸上競技場、野球場など、最新のトレーニング施設を備えた愛宕スポーツコンプレックスでは、アメリカ女子ナショナルソフトボールチームは状態を最高レベルまで上げて、対戦に臨むことができる。
2019年4月4日、岩国市をアメリカ女子ソフトボール代表チームのオリンピック事前合宿地に指定する調印式が行われ、アメリカ・ソフトボール協会のジョン・グァベア会長、在福岡米国領事館のジョイ・ミチコ・サクライ首席領事、米海兵隊岩国航空基地司令のリチャード・ファースト大佐、岩国の福田良彦市長らが出席した。
この調印式により、アメリカ女子ソフトボール代表チームが愛宕スポーツコンプレックスで東京オリンピックの事前合宿を行うという協定が締結された。また、アメリカ代表チームは岩国市に滞在中、市民や基地との交流プログラムに参加することも確認された。
この協定書への署名は日米の強固な友好関係を証明し、スポーツの外交力やオリンピック大会が各国の人々を一つにするしてくれることを示す一例である。
「同盟関係を強化するには様々な方法や形があります。日米は既に素晴らしい友好関係を築いていますが、それをさらに積み重ねようと私たちが努力することもその一つです。」とサクライ首席領事。「日米両国からの支援を受け、東京オリンピックへの準備をするアメリカ代表チームにとってプラスになるでしょう。」
基地と市の両方から温かい歓迎を受けられること、日没後はリラックスできる静かな環境があるなど、チームが練習に集中しやすい環境があるため、岩国市はアメリカ代表チームの事前合宿所の第一候補として考えられていた。
「岩国は素敵な自然に囲まれ、広島のような都会へもすぐに行ける距離なので、バランスのいい場所だと思います。」とサクライ首席領事。
岩国市スポーツ振興課によると、アメリカ代表チームは事前合宿として市に一週間から10日間ほど滞在する予定。
「絆スタジアムはオープン当初から日米同盟の象徴でした。」と福田市長。「それは非常に重要なことだと認識していますので、事前合宿所としてアメリカ代表チームを迎えられることは感慨深いものを感じます。」
このような協力関係はたった一晩で築かれたわけではない。
2017年3月、「アメリカ女子ソフトボール代表チームの東京オリンピック事前合宿所として絆スタジアムが最適である」とサクライ首席領事が推薦。同年7月にアメリカ代表チームのホストタウンとして岩国市が登録された。翌8月に事前合宿地に指定されることを目指し、岩国市関係者がアメリカ代表チームのクリス・セブレン監督と会合。2018年1月にセブレン監督と他2名のスタッフが愛宕スポーツコンプレックスを訪問し、同年8月に代表チームはオリンピック出場権を獲得。11月に事前合宿地として福田市長が正式に申し入れ、2019年4月4日に同意書が正式に署名された。
「皆様もご存知のとおり、岩国基地に駐留している航空機の即応性は非常に重要です。なぜなら、それがの地域の平和と安定をもたらすからです。」とファースト大佐。「岩国基地の航空機が即応性を保っているからこそ、私たちは野球やソフトボールなどを楽しむことができるのです。その次に重要なことは岩国市民の皆さんの良き隣人でいることです。」
ファースト大佐は「岩国基地と1万3千人の基地住民は、聡明で屈強な若いアスリートを支援できる機会に感謝している」と話した。