米海兵隊岩国航空基地 -- 錦帯橋周辺で多くの観光客が楽しそうに写真を撮っている傍らで、錦川のほとりを飲み物を飲みながら散策していた二人の海兵隊員の足元に、桜の花びらが散って落ちた。
川を渡ろうと錦帯橋を渡っていた第171海兵師団支援中隊(MWSS-171)所属のドーソン・ハッツマン伍長とルーカス・アイカレラ伍長は、橋の途中で遊覧船が錦帯橋の下で止まっているのに気づいた。遊覧船は錦川の早い流れに持っていかれそうな、危うい場所で止まっていた。
遊覧船の船頭は舟を橋の下で何とか止めようと流れに棹を差したが、川の流れはとても早かった。船頭は冷たい川の中へ入っていき、舟を上流へ引き戻そうと押したが、川の流れに逆らうことはできなかった。
ハッツマン伍長とアイカレラ伍長はすぐに橋の下へと走っていき、水辺で靴を脱ぎ棄てると、船頭とその客を助けるために川へと入っていった。
日本人の船頭と二人の海兵隊員が一緒になって観光船を押し、舟は安全な川岸へと戻ることができた。船頭の男性は二人に助けてくれたお礼を言うと、遊覧船と隊員はそれぞれの道へと帰っていった。その船頭の男性から、二人の隊員が4月1日に手を貸してくれたことについてお礼の手紙が岩国基地に届いた。
「すごいことをしたとは思っていません。誰でもとるべき行動です。」とハッツマン伍長。「自分たちは橋を渡っていたのですが、観光客を乗せた船の一隻が橋の下で止まっているのに気づきました。船頭の一人は川の中に入って舟をなんとか動かそうとしていましたが、全く動いてませんでした。」
ハッツマン伍長は、「何年もの間、アメリカ海兵隊が自分たちに教えてくれたことを試すような出来事が起きるとは思ってもみなかった。」という。二人の伍長は率先して船頭を助け、乗船客を安全な場所へと返すことができた。
自分の危険も顧みず、知らない誰かを助けるために迅速な判断を下すことは、名誉、勇気、責任という海兵隊員全員の信条である本質的価値を表している。日々の行動でこれらの価値を示すのは、海兵隊員一人一人の責任である。
「これは海兵隊員であることの目的すべてだと思います。」とハッツマン伍長。「世界を変えるための第一歩を踏み出すこと。どこに居ようと、これこそが私たちの任務です。そのような関係をホスト国である日本と築くことができるのは、重要なことだと思います。」