米海兵隊岩国航空基地 -- 第41回海上自衛隊/米海兵隊岩国航空基地フレンドシップデーが開催された5月5日、岩国基地はその門を約21万人の来場者に一般開放した。
建設的な日米関係構築を促進し、日米間の地域社会支援を実演する機会を提供するため、1973年以降、岩国基地は日米親善デーとして基地を一日、一般開放してきた。
「日米親善デーは地域社会イベントです。」と話すのは、航空ショーディレクターを務めた岩国基地、運用部長のネイサン・ホフ少佐。「私にとって大きな意味があるのは、この日は私たちがゲートを開放し、日本の地域社会全体を歓迎する機会だということです。海上自衛隊と協力し、軍としての任務を遂行している我々の活動を、日本の皆さんに知ってもらう機会でもあります。それが実際の有事に対応するための訓練でも、今日のような地域活動イベントを主催する場合であっても、日米の二国間協力を実演して示す機会になると考えています。」
ホフ少佐はまた、「今年はこれまでの親善デーとは少し異なり、海兵空陸任務部隊(MAGTF)が地上部隊を航空支援するデモなど、空中パフォーマンスや航空能力を特に強調している。」と話した。
航空ショーの演目は、アメリカ陸軍の公式パラシュート部隊のゴールデンナイツ、ウィスキー・パパによる空に絵や文字を書くスカイライティング、エボルブ・エアロスポーツによるムササビ・スーツの大ジャンプ、日本の自衛隊によるヘリコプターからロープを使って降下するラペリング、MV-22オスプレイのレベルIIIデモ、海兵空陸任務部隊(MAGTF)デモ、太平洋空軍のF-16デモチーム、そして航空自衛隊アクロバット飛行チーム、ブルーインパルスなど。
海兵空陸任務部隊(MAGTF)デモでは、近接航空支援、空中給油のシミュレーションなど、海兵隊航空機が遠征展開先で実施するさまざまな動きを来場者に披露した。
「親善デーは今年、初めて来ました。航空ショーがよかったです。」と話すのは、来場者の小柳公任子さん。「アメリカ人の方はとてもフレンドリーだと感じました。また是非来たいですが、私の住んでいる札幌からは遠いので難しいですね。」
この日は海兵隊が親善デーで示す類まれな日米同盟とその能力を直接体験しようと、日本中から多くの来場者が訪れた。
航空ショー以外に、日米の様々な航空機の地上展示や、食べ物の売店やエンターテイメントなどもあった。地上展示には第三海兵遠征軍(III MEF)よりF/A-18C/Dホーネット、MV-22オスプレイ、F-35BライトニングII、さらに在韓米軍よりF-16ファイティング・ファルコン、A-10サンダーボルトII、KC-135ストラトタンカーが参加した。
「米海兵隊、米海軍、米空軍の航空機が、太平洋運用地域から多く参加してくれました。」とホフ少佐。「自衛隊の航空機やヘリコプターも展示されており、また、民間の航空機やブライトリングのDC-3も展示されています。飛行機に興味のある方でしたら、見る価値のある航空機が何かしらあるでしょう。」
地上展示の中には日本の自衛隊から、C-1輸送機、MC-130JコマンドーII、A6M零式艦上戦闘機、MCH-101回転翼機が参加。また、日本オーナーパイロット協会からはWACO社の複葉機やセスナ機の機体が展示された。
航空機以外では、第171海兵師団支援中隊(MWSS-171)が重機などの装備、遠征展開先での野外キッチンや様々な軍用車両の展示を通じて、地上戦闘部隊が持つ様々な装備や能力を見学する機会を来場者に提供した。
また、ノースカロライナ州、キャンプレジューンから現在、沖縄に展開している第2海兵師団、第8海兵連隊、第3大隊、司令部支援部隊の海兵隊員が、地上戦術における技術と能力を披露した。
「岩国基地は日本の皆さん、日本の文化や財産に大きな尊敬の念を持っています。」と話すのは、米海兵隊岩国航空基地司令、リチャード・ファースト大佐。「日米親善デーは、我々が日本の皆さんへ感謝を表す一つの方法です。海上自衛隊と共同で開催するのは今年で3年目になりますが、これは岩国基地が海上自衛隊だけではなく、岩国市の皆さんとも互いに有益な関係を維持していることを表しています。」
一日で終わってしまう日米親善デーだが、これは日米間で育まれてきた非凡な絆を実証し、再確認できるイベントである。
「親善デーは日米同盟を体現する素晴らしい例です。」とファースト大佐。「この航空ショー開催に当たっては、親善デーを共同開催してくださった海上自衛隊、第31航空群司令の二川海将補をはじめ、第31航空群の海上自衛隊員の皆様の支援に感謝申し上げます。海上自衛隊との協力は素晴らしい日米同盟を表すもうひとつの例でもあります。第31航空群や周辺地域との関係を非常に誇りに思っており、今後、何年にも渡って皆様のよき隣人でありたいと願っています。」