米海兵隊岩国航空基地 -- 太陽が照りつける屋上。そこに立つ海上自衛隊員。彼らがラッパを持ち上げて唇にあてると、指揮者は歌を演奏する準備をした。彼らの顔には玉のような汗が浮かんでいる。
ラッパは金管楽器に属し、弁や音程を変える装置のない楽器である。音程を変えて演奏するには口や息だけを使う。
ラッパは、歴史的に騎兵隊において将校から部隊への指示を伝えるために使われていた楽器である。現在は、式典や葬儀のための楽器として軍隊で使われている。
「ラッパは追悼式典で重要な役割を果たします。」と話すのは、海上自衛隊、ラッパ奏者兼指揮者のイズミ・タクヤ三等海曹。「式典では貴賓の到着を知らせるときに使います。」
イズミ三等海曹によると、海上自衛隊におけるラッパの役割は重要性が高いため、3つの職種の訓練において重要な要素を構成している。また、経験豊富なラッパ奏者が正しい演奏方法を伝えていくことも重要である。
訓練基準は、軍機衛兵、車輌班、地上救護部隊に所属する自衛隊員は全員、軍人の専門分野に加えてラッパの演奏を学ばなければならない。
「自衛隊員にとってラッパ訓練は、自衛隊において歴史があるというだけでなく、式典で演奏できることは特典だと考えられている伝統です。」と、イズミ三等海曹は話してくれた。
「練習は週に一回か二回、休憩時間に一時間程度ですが、この練習は大切です。」と話すのは、自衛隊ラッパ奏者のニシオ・ナツキ一等海士。「来賓の方々がいる式典でラッパ隊として演奏するのは緊張しますが、うまく演奏できたときは本当に達成感を感じます。」
ラッパは自衛隊の中で現在も重要な役割を果たしているので、自衛隊員は彼らの先達の伝統を維持するために、年間を通じて訓練を続けている。
写真1:9月26日、ラッパを演奏する4人の奏者の指揮をする、海上自衛隊、ラッパ奏者兼指揮者のイズミ・タクヤ三等海曹。海上自衛隊では、式典で来賓が到着したことを知らせるために使われる。
写真2:9月26日、ラッパを演奏する4人の奏者の指揮をする、海上自衛隊、ラッパ奏者兼指揮者のイズミ・タクヤ三等海曹。海上自衛隊では、軍機衛兵、車輌班、地上救護部隊に所属する自衛隊員は全員、軍人の専門分野に加えてラッパの演奏を学ばなければならない。