米海兵隊岩国航空基地 -- 東京都目黒にある防衛省統合幕僚学校の日本人教官が5月9日、海兵空陸任務部隊(MAGTF)運用に関する知識を深める目的で岩国基地を訪問した。
日本人教官たちは最初に概況説明を受けた後、海兵第242戦闘攻撃(全天候)中隊(VMFA(AW)-242)を見学、次に米海兵隊司令部非居住者プログラムによる統合司令部職業軍事教育コースに参加した。
「今日、日本人教官の皆さんに岩国基地に来ていただいたのは、海兵隊の水陸両用技術や基本運用について、また、海兵隊機能の統合方法やMAGTFとしての運用方法について意見を交すためです。」と話すのは、この日の訪問を調整した、海兵第12飛行大隊(MAG-12)、カレント・オペレーションズ担当官のアンドレ・ヨンケーレ少佐。
MAGTFとは、多岐に渡る軍事作戦において特定任務を達成するため、一人の指揮官の下で構成された、海兵隊諸兵科連合の均衡の取れた航空および地上部隊のことをいう。
統合司令部職業軍事教育コースでは、リビアでの『オデッセイの夜明け作戦』やアフガニスタンでの『不朽の自由作戦』など、米軍史に残る出来事となった合同作戦のうち、特にMAGTF運用に関する事例が講義された。
授業中の意見交換では、近接航空支援や航空合同作戦における任務に関する日米両国の戦術も話し合われた。それを具体的に見ることができたのはVMFA(AW)-242の見学中で、海兵隊がどのように各部隊をMAGTFに統合しているのか、それぞれの部隊を運用する際に火力支援がどれほど重要かを実際に視察した。
「日本人教官の皆さんは、同盟国軍と共に太平洋地域での関与を深めることに関心が向いているように思いました。」と話すのは、岩国基地、副司令官のゲイリー・トマソン中佐。トマソン中佐は軍事教育コースの教官も務める。「そのため、同盟国パートナーであるアメリカが米軍をどのように運用しているか、任務達成のための隊員をどのように教育しているかなどを視察していました。」
さらに、日本人教官が統合司令部職業軍事教育コース受講したことで、海兵隊の准士官、少佐、中佐が受講対象である中級レベルの教育コースがどんなものであるかについても見識を深めることができた。
「国の防衛に携わる自衛隊員として、海兵隊に関する知識が大変乏しかったことを深く反省しています。」と話すのは、防衛省統合幕僚学校、第一教官室長、タナカ・アツシ一等海佐。
この日の訪問で、日米両国の隊員はそれぞれの視点を広げることができ、日本人教官は軍事教育コースで学んだことを自分達の学生への軍事教育で使うことができるようになる。
「日本は強固な同盟のパートナーであり、日米二国間関係は西太平洋地域における安定のための鍵になるものだ。」とトマソン中佐。
「意思疎通を図らなければ、同じメッセージを共有することはできないでしょう。」とトマソン中佐。「そうしなければ、お互いを理解しあうこともできません。ですが、私達は努力を結集し、共に前進できるよう、本当にお互いを理解するレベルにまで達したいと思っています。」
共に有意義な一日となったこの日の終わりに、海兵隊員と日本人教官はお互いに感謝を述べ、将来、日米両国にとってより教育的な訪問にするにはどうすればいいかについて話し合った。
「今日、ここに来させていただいて、海兵隊員や海兵隊の合同作戦への取り組み方を勉強できたことは、非常にいい経験となりました。これで、統合幕僚学校の教官は太平洋地域における海兵隊の状況について、理解をより深めることができました。」とタナカ一等海佐。「統合幕僚学校の教官の一人として、今日の経験はインスピレーションになり、感慨深いものとなりました。」