米海兵隊普天間航空基地 -- 岩国市議会議員、中国四国防衛局職員、沖縄防衛局職員、宜野湾市議会議員が7月16日、沖縄の米海兵隊普天間航空基地を訪問し、スタディ・ツアーを実施した。このツアーに参加した日本人は全員で24名。
スタディ・ツアーは普天間基地副司令のジェイムズ・ハード中佐による基地概況説明で始まった。この概況説明の目的は、普天間基地における安全保障や、普天間基地の任務である第三海兵遠征軍(III MEF)の航空戦闘能力支援について、参加した日本人の理解を深めるため。
共に米軍基地を抱える岩国市と宜野湾市は、軍民の共同社会を持つという共通点がある。普天間地域の負担軽減のため、海兵第152空中給油輸送中隊(VMGR-152)所属のKC-130Jスーパー・ハーキュリーズ15機は2014年8月26日を以って、岩国基地に移駐が完了している。VMGR-152は第一海兵航空団(1st MAW)、III MEF隷下部隊で、ニックネームは「スモーズ」。
「沖縄に来るのは今回で4回目です。私たちは沖縄の皆さんが感じている負担を和らげたいと思っています。」と話すのは岩国市議会、桑原敏幸議長。「これらの航空機受け入れについては以前に約束しています。岩国市議会内でもこの移転については反対意見がありましたが、現在、この件については問題はありません。」
桑原議長は、「これまで沖縄が引き受けてきた負担が軽減されることを望んでいる。」と話し、「岩国における基地の発展に関しては、岩国市民は安全保障を維持するための協力だと認識している。」と付け加えた。
「岩国市民の観点から言うと、航空機の追加配備による特別な負担はないと考えています。」と桑原議長。「また、沖縄の皆さんは岩国市民の協力に感謝していると聞いています。」
VMGR-152の母基地ではなくなった現在も、普天間は主にティルトローター機と回転翼機の基地として機能している。ヘリコプターが長い距離を飛行することは容易ではないため、日々、訓練を共に実施し、支援してくれる地上部隊との共同配備は必須である。だが、スモーズが岩国に移管したことで普天間基地の航空交通量は大幅に減少した。
「C-130の移駐に伴い、普天間基地での飛行は減少しているが、普天間基地の任務は変わっていない。」とハード中佐。「普天間基地にはまだ飛行場が存在しており、その飛行場は滑走路の長さで他に類を見ないものである。また、国連軍施設に指定されている普天間基地は戦略的に海抜75メートルの位置にあり、これは米軍にとってだけでなく、国連にとっても利点である。」
沖縄で危機や災害が発生した場合、普天間基地は国連軍飛行場として使用される。
桑原議長は、「岩国基地が発展を続ける中、岩国では市民が海兵隊の任務を理解し、基地と共存するという立場を取っている。」と述べた。
ハード中佐は「我々は良き隣人であるために最善を尽くしている。」と真摯な気持ちを示し、米軍が沖縄の文化遺産を傷つけることなく、どのように状態を維持しているかなどを例に挙げた。普天間基地はまた、宜野湾市との友好関係を促進するために、合同のイベントを開催したり、法的合意を交している(毎年恒例のフライトラインフェア、宜野湾市交通安全キャンペーンリレー、その他スポーツイベント、海岸清掃、津波発生時に市民を高台へ避難させることなど)。
スタディ・ツアーは重輸送ヘリコプターのCH-53Eスーパー・スターリオン、中型ティルトローター機のMV-22Bオスプレイ、UC-350セスナを見学して終了した。桑原議長は、「沖縄における米軍のプレゼンスの重要性や、日米両国が相互理解のために歩み寄れば、日米同盟は重要な要素になるということを宜野湾市の皆さんが理解してくれることを望んでいます。」と話した。ハード中佐は桑原議長の意見に同意し、「我々は定期的に宜野湾市役所と会議しながら日本側の懸念に耳を傾け、それを一緒に解決できるよう努力している。」と話した。