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This was the scene awaiting Marine Aviation Logistics Squadron 12 Marines who went to help with relief efforts May 20 - 29 after the devastating tsunami ravaged much of the northeastern coastal region. Several Marines voluntarily used some of their own personal leave to go help with disaster relief. The Marines helped clear away debris and restore residential houses in the area.

Photo by Gunnery Sgt. Fabio L. Salas

被災地のコミュニティ再建を手助けするMALS-12

20 May 2011 | ケニス・トロッター・ジュニア兵長 Marine Corps Air Station Iwakuni-Japanese

市内を走るバスの中は静かだ。バスに乗っている人たちの顔には表情がなく、バスが走る情景を表す言葉は見つからない。港から数百ヤード(100ヤード≒約90メートル)も流されたボートが家をなぎ倒し、自動車はひっくり返ったまま。その周辺はすべてが厚い泥に覆われている。市全体が自然の怒りの中に横たわっていた。それは、海兵第12航空補給中隊(MALS-12)の隊員たちの目の前にひろがる光景だった。

宮城県東松島市は、3月11日の津波で被害を受けた自治体の一つ。市民の24人に1人がこの震災で亡くなった。

「被災地に向かう途中、誰も何も言わなかった。」と話すのは、MALS-12、中隊曹長のファビオ・サラス一等軍曹。「ただ、とても重苦しい雰囲気だった。うまく説明できない。」

日本の東北地方を襲った東日本大震災が発生してから、およそ3ヶ月が経っていた。被災地への人道支援を行う日米共同作戦、オペレーション・トモダチは、地震と津波の二重の災害発生直後に対応するために実施された。

オペレーション・トモダチは公式には終了しているが、海岸沿いの市や町を再建するための支援はボランティアという形で現在も続いている。MALS-12の13名の海兵隊員は、個人の休暇を使い、ボランティアとして東松島市へ向かった。

ボランティアの要請を受けたとき、その数には驚かなかったとサラス一等軍曹は話す。

「自分が驚いたのは、ボランティアを申し出た人たちの階級だ。」とサラス一等軍曹。「かなりの額のお金が集められたのを見て、恐らく三等軍曹以上の下士官が申し出たボランティアだと思っていた。それは、その階級以上の隊員ならボランティアへ行くだけのお金と休暇が十分あるからだ。だが、給与も低く、休暇もあまり多くない兵長や伍長の隊員がボランティアを申し出てくれたのを知り、とても驚いた。また、このボランティアに対する責任も同時に感じた。」

海兵隊員からは9,000ドルが寄付で集められた。そのうち、7,000ドルが東松島市までの交通費に使われ、残りの2,000ドルは道具や援助物資のために使われた。それ以外にも隊員は彼らのお金と休暇を使ってボランティアを行った。この活動が行われた5月20日から29日には、アメリカの祝日であるメモリアルデイの週末も含まれていた。

「ボランティア全員が個人の休暇を使って東北へ向かった。」と話すのは、MALS-12、地上支援設備電気技師のアンドリュー・フェルドン三等軍曹。「何を求められているのか全員が理解していたし、メモリアルデイの週末も使わなければならないとわかっていた。」

ボランティアは現地に9日間滞在し、そのうち5日間働いた。彼らは最初に到着したときは、目に見える破壊があまりないことに驚いたという。それは、倒壊した建物や横転した車など、町全体の混乱は彼らが海岸線に近づくまでははっきりとわからなかったからだ。

「海岸線に近い場所へ近づくまでは、そんなにひどいとは思わなかった。」とフェルドン三等軍曹。「倒壊の全貌を見て、どれだけのものが一瞬で流されたのかを思い知らされた。」

ボランティアは瓦礫を集め、多くの建物や車、田畑を覆っている厚い汚泥を洗い流した。

住宅の床下にある汚泥を洗い流すために、隊員たちは住宅の床板をはがさなければならなかった。

「住宅の床下にある汚泥を全部出そうとした。」と話すのは、MALS-12、地上支援電気技師のジェフェリー・バーク伍長。「床下に這いつくばって入って行き、汚泥を出した。そのため、床板があがっている。汚泥は庭にも、配水管の中にも、いたるところにあった。土壌が被害を受けているため、植物も枯れ始めていた。」

ボランティアが被災地に滞在した9日間、30世帯の家を掃除した。その日の作業の終了時間は、どれだけ掃除が必要かによって、家ごとで異なった。

「できるだけきれいにするために、掃除が終わるまで仕事を続けた。」とバーク伍長。「数日間は遅くまで働いた。」

住民の中には、海兵隊員が熱心に瓦礫の撤去作業をしているのを見て驚いている人もいた。また、隊員たちも、住民が示す感謝の意に対して恐縮していた。

「全体の被害を見ると、自分達はミシシッピ川に小石を投げただけのように感じる。」とバーク伍長。「自分達は大したことはできなかったと感じる一方で、個人的なレベルで見ると、我々ができる支援は思いもよらないほど大きいとも感じた。何度も何度もありがとうと言ってくれたお年寄りの夫婦がいた。同行した通訳の人に聞くと、二人だと2年かかるくらいの仕事を自分達が2時間で終わらせてくれたため、なんとお礼を言えばいいのかわからないといっていた。二人はとにかく喜んでくれていた。」

彼らの旅は終わったが、海兵隊員は今後も被災者支援を継続することを望んでいる。


 
写真1
5月20日から29日の間、東松島市でボランティアを行ったMALS-12の隊員たちを待っていたのはこの光景だった。隊員たちは個人の休暇を使ってこのボランティアへ参加した。海兵隊員たちは瓦礫の撤去作業や住宅の再建などを手伝った。

写真2
5月20日から29日の間、東北大震災で被害を受けた東松島市で瓦礫の撤去作業をするMALS-12の隊員たち。隊員たちは個人の休暇を使ってこのボランティアへ参加した。