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6月10日、米海兵隊岩国航空基地でアドバーシティ・リカバリー・アンド・メンターシップ(ARM)プログラムの参加者に語りかけるメルビン・ジェイコブズ大尉。ジェイコブ大尉はARMプログラムを岩国基地で立ち上げた。(写真:アイザック・オロスコ兵長)

Photo by アイザック・オロスコ兵長

正しい道に戻る:逆境に直面した海兵隊員を回復へ導く海兵隊大尉

19 Aug 2022 | アイザック・オロスコ兵長 Marine Corps Air Station Iwakuni-Japanese

「5年前の自分が目の前に立っていて、現在の自分を見たら彼らはなんて言うだろう?誇りに思うだろうか。それとも失望するだろうか。」この質問をメルビン・ジェイコブズ大尉は決して忘れることはなかった。キャリアの早い段階で逆境に直面し、同僚から、また自分自身からさえも孤立していると感じていた時、ジェイコブズ大尉は頻繁にこの質問を自分自身に投げかけてきた。この質問は、彼が正しい道にとどまり、自分がなりたいリーダーになることをいつも思い出させてくれた。現在、ジェイコブズ大尉はこの質問を自分に投げかける代わりに、自分が困難に直面した時に求めていたのと同じ援助を必要としている海兵隊員に投げかけている。

ジェイコブズ大尉は米海兵隊岩国航空基地に2018年から駐留している。元々は第171海兵師団支援中隊(MWSS-171)のS-6情報通信システム担当官だったが、現在は基地のS-6情報通信システム担当官を務めている。

ジェイコブズ大尉はまた、アドバーシティ・リカバリー・アンド・メンターシップ(ARM)プログラムの生みの親でもある。このARMプログラムは、隊員が係争中または判決を受けた刑罰や困難に対処し、回復するための援助を提供することを目的としている。ジェイコブズ大尉は勤務外の時間を使ってARMプログラムを毎月開催し、隊員が参加する機会をできるだけ多く持てるように尽力している。

「法的危険(刑事事件で被告人が有罪になる危険)に晒された海兵隊員は多くの場合、見下され、様々な差別用語のレッテルを貼られてしまう。」とジェイコブズ大尉は話す。「危険に晒された状態にどれぐらいいたかは関係ない。一度でも間違いを犯せば、それまでとは違う目で見られてしまう。だが、それは間違っている。だからこのプログラムが非常に重要なのだと思う。ARMプログラムでは、受講している海兵隊員に同じような問題を乗り越えた経験者を紹介し、彼らが実証済みの回復方法を教えてくれる。」

毎月開催されているこのプログラムでは、回復力や自己弁護などに関する講義、ボランティア活動への参加方法、司令部財務専門家や基地のボランティア・コーディネーターなど様々な分野のゲストスピーカーからのアドバイスを提供しており、参加者は貴重な体験ができる。

プログラム参加者との結びつきを深め、回復はまちがいなく可能であることを示すため、ジェイコブズ大尉は軍人としての初期のキャリアにおいて、人生を変えるほどの経験を率直に話している。

「私が19歳の兵長だった時、喧嘩をして沖縄にある日本の刑務所に入り、後に少年拘置所に移送された。」とジェイコブズ大尉。「刑務所にいる間、なぜ、こんなことになってしまったのだろうと本当に考えた。」

さらに、別の間違いを犯していたことから、司令部調査の対象となり、結果としてジェイコブズ大尉は簡易軍法会議にかけられ、二段階下の階級である兵への格下げ、減給、営倉での30日間収容となった。

ジェイコブズ大尉は、この時は非常に落ち込み、その後に深刻な影響を及ぼしたと話す。この体験は彼の目を覚まさせるものとなり、心の奥底では何者であるかを深く認識することができた。それはリーダーである。

「自分の逆境を乗り越えることから一番影響を受けた。」と大尉。「乗り越えることで、何が重要なのか、もし成功したければ人生を大きく変えなければならいことを気づかせてくれた。あの時に自分がやっていたことは、自分の性質とはかけ離れたことだった。」

簡易軍法会議にかけられた後、ジェイコブズ大尉は、自分の過去に縛られず、仲間の海兵隊員からの信頼を取り戻すことを決意した。そのような機会はほとんどなかったが、それでも彼は自分の功績、価値を証明する方法を模索し始めた。

ジェイコブズ大尉は自分自身だけでなく、監督者からの助けも借りながら、並外れた回復への道筋を歩むことができた。監督者は彼の善行に注目、もう一度チャンスを与えるために特別な努力をしてくれた。

「自分一人の力でも、一人の人間の力でもなかった。」とジェイコブズ大尉。「多くの人が、私が頑張って努力している姿を見て、もう一度チャンスを与えようとしてくれた。良い人間であること、正しい判断をすること、自分の価値を証明することだった。彼らの名前を汚したり、彼らが与えてくれた機会を無駄にするようなことはすまいと思った。」

回復への道のりは簡単ではなかったが、人が思うよりは簡単だったとジェイコブズ大尉。実際、多くの海兵隊員や海軍兵の意識の中に、基本的なことは既にあるという。

「回復への道のりは、基本に返ることに尽きると思う。」とジェイコブズ大尉。「そのために、我々は基本訓練で名誉、勇気、責任のような考え方や14のリーダーシップの資質について学んできた。これらのことをすべて実行できる者がいるならば、それが従う側であろうとリーダーであろうと、それ以上、彼らに何を求めることができるだろう。」

この哲学は、ジェイコブズ大尉が教えていることにおいて大きな影響を与えており、このプログラムの中で、基本的なことに苦労することは珍しくないと強調している。しかし、この基本的なことが自分の性格や資質の中に設定されれば、キャリア再構築への道のりは容易である。

このプログラムに参加している隊員の一人、司令部司令中隊に配属されているジェイデン・ワトソン兵長は、このプログラムは貴重なものであり、岩国基地にとって素晴らしい資産だと話す。

「大尉が立ち上げたARMプログラムはとても役に立ってくれた。」とワトソン兵長。「大尉は自分たちと同じような経験し、個人的に必要だと思う援助を提供してくれている。ジェイコブズ大尉は、基地の部隊や岩国コミュニティに非常に大きな変化をもたらしてくれている。」

ワトソン兵長はまた、ジェイコブズ大尉の人柄についてや、自分が抱える問題や状況についてジェイコブズ大尉に話すのはとても楽だと話す。

「どんな犠牲を払ってでも、海兵隊員や海軍兵が問題を抱えていないことを確認しようとする将校、または一般的なリーダーを想像したらなら、ジェイコブズ大尉はその模範となるだろう。」とワトソン兵長。「自分が司法外刑罰を受けた後しばらくは、状況は悪くなる一方だった。これまでやってきたことのすべてが、将来の目標と一緒に取り上げられてしまったからだ。だが、そんな時にジェイコブズ大尉はそばについていてくれた。リーダーであろうと、従う側であろうと、どの部隊に属していようと、どの階級であろうと、大尉は『調子はどうだ?何が起きたのか教えてくれ。』と聞いてくれる。自分がどんなふうに感じているかを安心して大尉に伝えることができた。」

ジェイコブズ大尉はこれからも、隊員たちが過去に犯した過ちに関わらず、彼らが戦う機会を持てるよう、隊員のキャリアのために時間とエネルギーを使い続けていく。仕事に対する献身と逆境に立ち向かう揺るぎない勇気を通じて、ジェイコブズ大尉は岩国基地の隊員にとってかけがえのない貴重な財産としてのARMプログラムを今後も継続していく。


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