米海兵隊岩国航空基地 -- 6月26日、ルアウ会場のアイアンワークスジムに基地住人の観客が入ってくると、「アロハ!」と大きな声で迎えられた。この日、ポリネシアエンターテイメントグループ、マオヒ・ヌイが出演するルアウが行われた。ルアウとは、ハワイ語でパーティのこと。
マオヒ・ヌイは、海外駐留の米軍人のための6日間のアジア太平洋ツアーを行っており、その途中に岩国基地に立ち寄った。
熱帯の楽園をイメージした会場に基地住人が入ってくると、ダンサー達がレイで歓迎した。
最初の一時間は歌手とミュージシャンによる音楽を聞きながら、観客はハワイの伝統料理を楽しんだ。料理は塩を振ったサイコロ状の生サーモンとたまねぎを混ぜたロミロミサーモン、鶏肉のチャーシュー、石で豚肉を蒸したカルア・ポークなど。
観客達が料理を包み始めると、会場の照明が落とされた。
すると、舞台は派手な頭飾りと民族衣装をつけたハワイアン・ダンサー達でいっぱいになり、ドラムとチャントの響きが会場全体を包み込んだ。チャントは単調な節回しで叙事詩を朗唱するハワイの伝統音楽。
ショーが始まると、最初は興奮していた子供達も舞台の周りに静かに座り、鮮やかな色とエネルギッシュな踊りに魅了されていた。
舞台では、ハワイ諸島、タヒチ、サモア、トンガなどのポリネシアに浮かぶ多くの島々の歌や踊りが披露された。
踊りはゆったりとしたロマンティックなものから、荒々しい躍動的なものまで様々であった。観客は夜が更けるにつれ、どんどん興奮していった。だか、全員がもうそろそろ終わりだと思ったちょうどそのとき、照明が完全に落とされ、それと同時に火の玉が現れた。
火のついた木の棒を手に持って、グループリーダーで男性ダンサーのメルビン・リロさんがステージに現れた。リロさんは素手で棒の端から端へと火を動かし、サモアのファイヤーダンスをはじめた。火のついた棒を片方の手からもう片方の手、前や後ろへとくるくる回し始める。その間、観客は彼が操る炎の輪に目を奪われていた。ファイヤーダンスが終わると、ダンサー達は観客の中から何人か舞台へ連れ出し、彼らがフラ101と呼んでいる踊りを一緒に踊り始めた。
男性も女性も舞台に上がり、熟練したポリネシアンダンサーのようにお尻を振った。マオヒ・ヌイのダンサー達と同じようにうまくできた人はだれもいなかったが、(観衆が参加したことは)確実にショーを盛り上げた。
エンターテイメントグループとしてのマオヒ・ヌイのゴールは、歌や踊りを通じて、ポリネシアの習慣や文化を学び、分かち合うことだという。
「自分達の好きなことを軍人の皆さんと分かち合うことができるのは、とてもやりがいのあることだ。国に使えている軍関係の人たちのおかげで、自分達が自由でいられるのだ。」
マオヒ・ヌイのミュージシャン、キア・リリさんは、部隊が奮起し、士気が高まる様子を見るのが大好きだと話す。
「僕達は一人のためだけにも何千人の前でも演奏できる。人数は関係ない。」とリリさん。「僕達はただ、自分達のやっていることと自分達の文化を愛しているだけだ。」
写真1
6月26日にアイアンワークスジムで行われたルアウで、マオヒ・ヌイのリーダーで男性ダンサーのメルビン・リロさんが火の玉に触ろうとして手を伸ばしている。これは、リロさんが演じたサモアのファイアダンスの中で行われたもの。
写真2
6月26日にアイアンワークスジムで行われたルアウで、マオヒ・ヌイの男性ダンサーがトンガの踊りを披露している。この日は、ハワイ諸島、タヒチ、サモア、トンガなど、ポリネシアに浮かぶ様々な島の歌や踊りが披露された。
写真3
6月26日にアイアンワークスジムで行われたルアウで、タヒチアンダンスを披露するダンサー達。この日のショーで披露されたダンスは、ゆったりとしたロマンティックなものから荒々しく躍動的なものまで、様々なものがあった。