米海兵隊岩国航空基地 -- 芸術家は様々な道具や材質を使って作品を表現する。それは紙の上のスケッチだったり、キャンバスに描かれた絵であったり、歩道に描かれたチョーク絵だったりする。では、ケーキはどうだろう?
クラブ岩国のシェフ、野原香織さんにとって、平たい四角のケーキはすぐに、色鮮やかで美味しい作品を制作するためのキャンバスへと変貌する。
およそ8年間、野原シェフは様々な種類のペストリーを焼き、そのカットやデコレーションを担当してきた。
「子供の頃からパンやケーキをたくさん焼いていて、大好きでした。」と野原シェフ。「そのうち、運命だと感じるようになり、ケーキ職人になることは私がやらなければいけないことだと感じるようになりました。」
野原シェフはクラブ岩国のグランド・バッフェだけでなく、ジェイディーズ・グリルやランディング・ゾーンのために、クッキーからブラウニーまで何でも焼く。それに加えて、週におよそ15個のケーキを焼いている。「私がケーキを作るときは、すべて心をこめて焼いています。」と野原シェフ。
野原シェフの仕事ぶりを優秀なケーキ職人と評価しているのは好意的なお客だけではない。彼女と一緒に働く同僚も、彼女が仕事を楽しんでいる様子を話す。
「海兵隊でフード・サービスの仕事をし終えた後、彼女のように、誠心誠意をこめてケーキを焼く人を見たことはありません。」と話すのは、クラブ岩国ケイタリング・マネージャーのジョン・バスさん。「彼女のすごいところは、独学でケーキやパンを学んだところです。多くの本を読み、自分の作品を完璧にするために、他のシェフと一緒に働いてきました。」
ケーキ職人の仕事は野原シェフの情熱そのものだが、彼女の本当の技術が発揮されるのは、ケーキにアイシングで飾り付けを施すとき。
野原シェフは、ケーキの飾り付けに道具や食用紙を一切使っていないと話す。彼女のケーキはすべて手作り。バスさんによると、野原シェフは一度、お客が持ってきたマイケル・ジャクソンの絵と全く同じようにケーキをデコレーションしたことがあるという。
野原シェフは作品を飾り終えると、自分の携帯電話を使ってどのケーキに対してもすることがある。それは写真撮影。
「私が自分の作ったケーキの写真を撮るのには2つの理由があります。」と野原シェフ。「まず最初に、お客様にサンプルとして見せることができます。次に、自分自身が達成感を感じることができるからです。」
誰かの誕生日、結婚式、または海兵隊の創立記念日など、どのような注文であっても、野原香織シェフは喜んでその挑戦に挑むだろう。なぜなら、彼女にとってそれは『お茶の子さいさい(ピース・オブ・ケーキ:取るに足らない簡単なこと)』だから。
写真1:6月21日、岩国基地のクラブ岩国で、お客から注文を受けた誕生日ケーキを飾るためにバラの花を作る野原香織シェフ。野原シェフはクラブ岩国で13年働いているが、ケーキを担当して約8年になる。
写真2:6月21日、岩国基地のクラブ岩国で、お客から注文を受けた誕生日ケーキを飾るために食用着色料をアイシングと混ぜる野原香織シェフ。野原シェフのケーキはすべて手作り。サンプル用としてのみ、写真撮影をしている。