米海兵隊岩国航空基地 -- 爆発物処理班(EOD)の海兵隊員が5月19日、手製簡易爆弾(IED)処理訓練を岩国基地で実施した。
EODの責務は、多種多様な爆発物を処理するために防護壁を構築し、その中に爆発物を配備し、無害化した後に爆破処分すること。
この訓練では、EODの武器庫に保管されているロボットを使用した。ロボットを使用することで、海兵隊員が負傷する危険がない距離から、爆発物を処理できる。
「今日実施したのは、レベルの高い訓練だと考えられている。」と話すのは、EODの爆発物処理技術者、ウンベルト・ランゲル一等軍曹。「注意深くなければ、また注意を払わなければ、我々は負傷する。非常に危険な仕事だ。」
「自分たちの経験を後輩の海兵隊員に伝えていかなくてはならない。なぜなら、自分たちが(岩国基地を)離れたら、知識もなくなってしまうからだ。学習することはできるが、実際に体験しなければ、このような技術を磨くことは難しい。」とランゲル一等軍曹は話す。
ランゲル一等軍曹は、「岩国基地EODは任務遂行のため、考え得るすべてのシナリオに対して態勢を整えるために、年間を通じて通常の訓練を実施している。」と話す。EOD隊員が持つ技術は実際のシナリオでは要求されないことがよくあるが、高いレベルの技術習熟度を維持するために、EODは毎週、実用的な訓練を実施している。
「この仕事で最も能力が試されるのは、関係する全員の安全を確保することだ。」と話すのは、岩国基地EOD担当官、アンドリュー・ラッセル上級准尉。
EOD分野では、安全が最も高い優先順位の一つと考えられている。訓練中、EOD隊員は現場周辺にいるすべてのものや人の動きを把握していた。こうすることで、歩行者が危険な場所に近づかないようにし、訓練に参加している隊員が適切な手順を踏むことができる。
「任務を遂行するときは常に態勢を整えておかなくてはならない。」とラッセル上級准尉。「EODの技術は使わなければすぐに忘れてしまいやすい。ネズミ捕りを仕掛ける方法はたくさんある。そのなかから特定のネズミ捕りを識別、調査し、危険性を軽減させるのが我々の職務だ。だが、どんなネズミ捕りかは爆破犯人の想像力によるところが大きい。我々の仕事は、その爆発物の構造を理解することだ。」
EOD所属の海兵隊員は全員、独自の解体の方法を習得している。様々なシナリオに沿った古い技術と新しい技術を駆使すれば、任務を完了する方法に間違いも正しいもない。安全が優先される限り、海兵隊員は任務完了のための独創的な考えを持つことができる。
「訓練を通じて、入隊したばかりの隊員はロジックツリーを構築できるようになる。 ロジックツリーとは、爆発が起こりうるすべての原因を図で表したもの。」
「意図的に、EODの隊員にこれらの訓練のシナリオを作成させ、そのロジックツリーを広げさせている。なぜなら,爆発物を処理する状況はすべて異なるからだ。だが、経験を積み、教育を受けることで、より早く問題解決ができる自分自身のロジックツリーを構築できるようになる。」
チーム主導の訓練の利点について、ラッセル上級准尉は、「訓練の中のロールプレイが気に入っている。人間的側面が加わるからだ。うまくいかなかったときのフラストレーションや可能性を加えてくれる。誰かが実際に負傷する前に、EODの海兵隊員にはこのような訓練シナリオで体験し、慣れてほしい。」と述べた。