米海兵隊岩国航空基地 -- 岩国警察署が6月28日、岩国基地住人のために無料の自動車運転講習会を開催した。
20名の岩国基地住人(日米地位協定(SOFA)に基づく運転免許証保持者)が招待され、日本での自動車運転に関する講習を受けた。参加したアメリカ人は日本での交通ルールやマナーについて学び、日本人講師の指導を受けながら、実際の自動車学校内のコースを運転した。
「外国の文化、習慣、法律に適応することは大変、難しいことだと思います。これは車の運転においても言えることです。」と話すのは、阿部勝美(カツヨシ)岩国警察署長。「今日の講習は、岩国市内で運転する基地アメリカ人の皆さんの知識を深める、よい機会になったのではないでしょうか。この講習は基地住人だけでなく、岩国市民の皆さんにとっても効果のあるものだと思っています。」
阿部署長は、基地住人による交通事故や交通違反の報告を定期的に受けているが、そのほとんどは、日本とアメリカの交通ルールやマナーの違いに起因していると感じている。
「基地住人の皆さんは、日本での運転に不安をお持ちだと思います。」と阿部署長。「ですが同時に、アメリカ人の皆さんは安全に対する意識が非常に高いとも感じています。」
岩国警察署のフクナガ・トシハル交通課長は、基本的な安全ポイントとして、『不必要な事故を防ぐという気持ちを持つこと』、『信号機がある場所での右左折』、『駐車場から出るとき』の3点を強調した。
「駐車場で車をバックさせるときに、割と事故が多いようです。」とフクナガ交通課長。「これを防ぐには、車の周辺をよく確認してから、低速でバックするということです。」
左折時はサイドミラーで左側を確認し、一番左の車線に入った後に左折する。ミラーでの確認だけでなく、肩越しにも確認することが必要である。
また、誰も乗っていない車を交差点の右折車線に置いて右折の練習も行った。巻き込み事故を防ぐため、直進する車は前の車が右折するかもしれないことを常に注意しておく必要がある。
この日講習に参加したサミュエル・ブラッドリー二等軍曹は、「基地憲兵隊や基地内で実施される運転講習会でも、一般的な交通ルールについて教えてくれますが、今日の講習では、アメリカ人が普段考えないようなことについても教えてくれました。」と話した。
「自転車やオートバイを確認したり、ミラーを確認したりして、もっと安全意識を高めるつもりです。」とブラッドリー二等軍曹。「日本人講師の方に、『自転車やバイクはどこにでもいるので左右をきちんと見て確認すること』と強調されました。」
ブラッドリー二等軍曹は、「実際の自動車コースの運転は、日本の警察がアメリカ人に運転の仕方を教えるという以上の意味がありました。」と付け加えた。この講習は、基地住人がホスト国である日本人に対して、自分たちは日本の習慣や法律に対して尊敬の念を持っていること、また、自分たちに不足があれば、喜んで改善する気持ちがあることを示す機会にもなった。
「私たちは日本に来て、日本人からおもてなしをただ、受けているのではなく、実際に日本の文化やルールを学ぶ努力をしていることを示すことができました。」とブラッドリー二等軍曹。「今日の講習のおかげで、日本の警察との間に問題を起こすこともなくなるでしょう。こういったことは避けるに限りますから。」
岩国警察署は基地住人に対して、「講習に参加してくれたことへのお礼と今日の講習で学んだことをできるだけ、家族や友人とも共有してほしい」と話した。
この講習は初めて実施されたが、岩国警察署は今後も継続していき、多くの基地住人に参加してほしいと考えている。